苛原 治  絵画展  Irahara Osamu  Solo Exhibition苛原 治  絵画展

苛原 治  絵画展

Irahara Osamu  Solo Exhibition

2023 9月11日(月) → 16日(土)

12:00~19:00 (最終日は17:00閉廊)

●1992年 北海道出身  ●2015年 札幌大谷大学芸術学部美術学科卒業  ●2017年 東京藝術大学大学院文化財保存学専攻 保存修復油画領域修了 ●2022年 白日会展 白日賞 美岳画廊賞 会友推挙

現在  白日会会友 文化財保存修復学会会員

作家在廊日 14日(木)・15日(金)・16日(土) .

油彩とテンペラの混合技法で表現する作家の東京での初個展です。

↓作家の自己紹介文です。少し長くなりますがご一読いただけましたら幸いです。

私が「油絵を描いていきたい」と決意した一枚の絵があり、そこから私の絵画人生が始まりました。それは札幌大谷大学にいた1人の非常勤講師が描いた作品でした。高校を卒業する間際に担任の美術の先生に「札幌大谷にはとんでもない人がいる」と告げられ、ネットで探したその先生の絵の画像を見た時に受けた衝撃は今でも忘れられません。それは「分水嶺」という作品でした。作者は松村繁(まつむらしげる)。今は、札幌大谷大学芸術学部の教授をされています。松村先生は、今の日本の「写実ブーム」の先駆けの人で現在50代から40代くらいの写実系画家(特に武蔵野美術大学関係)なら知らない人はいないような凄腕の伝説的な方です。以前、野田弘志先生に作品を見てもらった時にも「え!松村の教え子なのか!」と驚かれたくらいです。聞くところによると小尾修先生や諏訪敦先生も憧れたような人物で東京に出て来てから松村先生に教わっていたと言うと知ってる方に驚かれる事がしばしばあります。その松村先生が使っていたのも混合技法。自分も研究、制作に没頭しさらに油画技法材料を深く知るために上京して東京藝大大学院の保存修復油画研究室に入学、修復という観点から技法材料を客観的に勉強してきました。白日会に出品したのも松村先生が以前白日会の会員だったからで昨年白日賞を頂いた時は受賞した喜びと共に松村先生も同じように白日賞を受賞されていたので少し近づけたかなと思いました。(しかも受賞した年齢も一緒)そして上京してから松村先生の師匠にあたる川口起美雄先生(昨年まで武蔵野美術大学教授)の絵画教室に通いヨーロッパの古典技法を今も学んでいます。思い返せば松村先生のあの作品によって今の私は成り立っています。私は松村繁と川口起美雄というとてつもない師匠を抱え、追いかけながら制作しています。お二人を超えることは困難ですが、師匠たちのの技術や表現を吸収しながら「自分」を作れたらと思っています。

●技法材料につきまして私の作品はあまり筆致や過度の絵具の盛り上げは感じられませんが、油絵具の特性である透明性を生かし、絵具を重層することにより深い色層を得ています。画像よりも実物をみて頂いた方が私の手仕事を感じていただけると思います。私の技法は油絵具とテンペラ絵具を混合した混合技法により描かれています。これは戦後活躍したウィーン派の画家達が使っていた技法として日本にも伝わっています。この混合技法は油彩画の技法が確立された頃の初期フランドル派の技術を基に確立された技法であり古典技法に通ずるものだと考えています。油絵具の利点である「透明性」を生かした技法を使い制作しています。

お読みいただきありがとうございました。

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